龍口山 正順寺


正順寺の想い


龍口山 正順寺の歴史

歴史

往古、鈴が峯頂上足下にあった真言宗正信院と称する寺院が、今の正順寺の起源である。

元々は江戸初期、紀州より転封、当地安芸藩に入りし浅野家重臣、森島某の長子権平、戦国の世に無常を感ぜし時、偶々、本願寺十三世法主良如上人の教化を蒙り深く帰依、上人より剃髪を賜り直弟子となり、法名を釈了恵と頂戴するに及ぶ。

程なく荒廃せし正信院の寺基を山中より井口の里、龍の口に移し、浄土真宗に転宗開山す。

寺号を龍口山正順寺と公称するを許され本願寺末寺に連なりしは、寛永十一年(一六三四年)申戌二月と記録にある。

爾来、幾星霜、三百七十有余年、井口の地に在って唯一の浄土真宗本願寺派の法統を伝え、安芸門徒の流れを汲む念仏道場として現在に至る。

夏目漱石と龍口了信

龍口了信

正順寺の歴史の中に昨年(2017年)話題となった人物がいます。東京大学予備門並ぴに東京大学で夏目漱石と同級生であった龍口了信です。

日本を代表する作家のひとりである夏目漱石は、一昨年が没後100年であり昨年が生誕150年にあたっていたため、様々に注目を浴び話題にも上った。

そうした中で地元紙の中国新聞SELECT紙上には "漱石と広島" と題して、広島ゆかりの人物との交友を取り上げた記事が掲載された。

その記事の13回目の登場人修が正順寺十三代住職了海の次男了信であった。


漱石は了信とは遊び仲間でその交友は生涯続いたらしく、晩年の漱石の日記には了信の経営する学校からの卒業式の招待状を受け取ったとの記載があり、鈴木三重吉に宛てた手紙にも、了信に三重吉の就職を頼んだ旨の事が書かれている。

さらに小説「こころ」の登場人物であるKについて「(瀬戸内地方の浄土)真宗の坊さんの子」「次男」とされた部分が、龍口の経歴を使ったのではないかと言われている。

"漱石と広島"より抜粋


※正順寺では "漱石と広島" の筆者である中国新聞客員編集委員の冨沢佐一氏を招いて2017年6月に緑陰講座を開催し、明治の文豪と取り巻く人々に思いを寄せた。


寺伝宝物

蓮如上人 ご染筆名号

蓮如上人 ご染筆名号

有栖川一品親王 『龍口山』山號額を揮毫

有栖川一品親王
『龍口山』山號額を揮毫

明如上人 御歌『四海晴』 ~当寺にご来駕の折詠まれたもの~

明如上人 御歌『四海晴』
~当寺にご来駕の折詠まれたもの~

石泉僧叡和上 自画賛

石泉僧叡和上 自画賛


正順寺の鐘

正順寺の鐘

日本古鐘研究会

米田 仁
中屋 敷康


新装なった鐘楼門に、享保5(1720)年の梵鐘が懸かる。

口径60cm、総高86cm、中型の鐘で、龍頭には単頭の龍と筒形の桶がある。また、鐘身には、袈裟襷はなく、乳は3段3列、鐘腹には二天が鋳られ、駒の爪はない。

銘文には「安芸郡海田 冶工」とあり、鋳物師名は認められないが、海田の冶工であり、明顕寺鐘(海田町宝暦2年、冶工植木源兵衛藤原直義)の手法と酷似しているため、さらに植木直義の鋳造品は元禄後期からあり、正順寺鐘の冶工(鋳物師)も植木源兵衛藤原直義とみて間違いない。

龍頭の龍は上歯茎が長く、口が開き、牙が覗く。下歯茎・顎には、笠形から突き出し棒が付き、額の後ろには角がある。甬は龍の頭より高く、縦横に条文があり、龍の足が鋳られる。甬に通じる孔があり、明顕寺鐘、順教寺(安佐北区白木町、天明5年、植木直政)の盲貫とは異なる。乳郭には飛雲文があり、乳の間には蕾状の乳が朝鮮鐘の定形、3段3列に配列される。また、乳間のあいだに、日輪と月輪が相対して珍しい。

鐘座は、龍頭の長軸線と同一方向に2箇所あり、植木氏の初期手法の単弁8葉蓮華文(後期は複弁となる)である。鐘座の上には、二天がおり、左手に巻子(かんす)を持つ広目天と左手に鉾を持つ増長天が鋳られる。なお明顕寺鐘の広目天・増長天とは同じ像容であり、植木氏の同じ木型が用いられている。

正順寺鐘は正当な朝鮮鐘の形態を有し、美術工芸品としても貴重である。


正順寺の取り組み

正順寺の取り組み

よろこびを共にし 悲しみに寄り添う

笑う・楽しむ・泣けるお寺に


正順寺の活動方針です。生きにくい世の中にあって、ここだけはほっと憩えるスペースでありたい、ありのままで受け入れる空気がある、そういうお寺をみんなでめざしています。

あなたもどうぞお顔を見せて下さい。

私たちと共に過ごしませんか。

お待ちしています。





正順寺には "響流仏教婦人会" と "十方仏教壮年会" の2つの教化団体があります。

仏縁に遇うことを目的に活動しています。

活動内容は例会・懇親会・研修旅行・奉仕活動など多彩で活動を通して、みのりの友とのかけがえのない出会いがあります。


響流仏教婦人会

年度会費1,000円
例 会5日(1・5・8月を除く) 13:30 ~ 15:30

お勤め
 
御法話
 
茶話会
 
仏教婦人会網領
 
讃 歌
 
終 了

※4月の例会は総会とお花見
響流仏教婦人会


十方仏教壮年会

年度会費3,000円
例 会奇数月の最終土曜日 19:00 ~ 20:00

お勤め
 
御法話
 
解 説
 
話し合い法座
 
讃 歌
 
終 了
十方仏教壮年会


正順寺の風景